下肢の運動学

今日は下肢の運動学についての簡単レポート公開していきます^^

脛骨大腿関節の運動

外側と内側の脛骨大腿関節は、大きな凸面の大腿骨頭とほぼ平坦で小さめの脛骨顆とから構成される。大腿骨顆の関節表面は広いので、走行、スクワット、階段昇降といった諸動作のための矢状面の大きな膝関節運動が可能である。関節の安定性は、しっかりとした骨性適合ではなく、筋や靭帯、関節包、半月、体重による外力や物理的な閉じこめによって得られる。
運動方向
・屈曲、伸展:屈曲、伸展ともに内外の回転軸周りで生ずる。屈伸運動での内外側の回転軸位置は固定されておらず、大腿骨顆内で移動する。
・内旋、外旋:垂直軸または長軸の周りの水平面で生ずる。この運動は体軸回旋と呼ばれて、水平面での回旋は屈曲角度の増加とともに増加する。しかし、最大伸展位では、この回旋は実質上欠如する。またこの水平面の回旋は、大腿骨上の脛骨または脛骨上の大腿骨のどちらでも生じる。どちらの回旋形式も下肢全体の運動にとって機能的で非常に重要な可動要素である。

*関節包内運動
・自動伸展:大腿骨上の脛骨伸展では、脛骨の関節面が大腿骨顆上で転がり前方に滑る。半月は大腿四頭筋の収縮によって前方へ引っ張られる。脛骨上の大腿骨伸展では、大腿骨顆は脛骨関節面上で前方への転がりと後方への滑りを同時に生ずる。
<終末伸展回旋(Screw-home movement)>
完全伸展位での膝関節のロッキングには、約10°の外旋が必要である。この回旋は体軸回旋とは異なり、連合回旋といわれ、屈伸運動と機械的に連動しており、独立して行えない。
・膝伸展すると、脛骨が外旋
・膝屈曲すると、脛骨が内旋
(力学的因子)
・大腿骨内側顆の形状
・前十字靭帯の緊張
・大腿四頭筋の外側への牽引

・自動屈曲:自動伸展と逆に起こる。完全伸展した膝関節のロッキングを解除するには、関節はまず内旋する必要がある。

膝窩筋(Popliteus)

膝窩筋は三角形の筋であり、膝窩部内で腓腹筋の深部にある。強力な関節包内の腱によって、膝窩筋は外側側副靭帯と外側半月の間で大腿骨外側顆に近位付着する。膝窩筋は、関節包内で付着する唯一の膝関節筋である。後関節包より出た後、膝窩筋は脛骨後面に広く付着する。
また、膝窩筋は膝関節の重要な内旋、屈曲筋である。伸展、ロックされた膝関節が屈曲の準備をするとき、膝窩筋は内旋トルクを発生して膝関節のロックを解除するのを助ける。膝のロックを解除し、スクワット肢位へ屈曲させるには、大腿骨が脛骨上で外旋する必要がある。外側半月後角への付着により膝窩筋はこの屈曲-回旋運動中に外側半月を安定化させることができる。(終末伸展回旋に関連して、膝窩筋は脛骨の外旋を解除する。)

半月(Meniscus)

内側と外側にある半月は、膝関節内に位置する三日月状の線維性軟骨の円板である。半月により、ほぼ平坦な脛骨関節面は大腿骨に合う浅い座部に作りかえられる。
半月は、その前角と後角の部位で脛骨の顆間区にしっかりと付着する。内外半月の外縁は、脛骨と隣接する関節包に冠状靭帯を介して付着する。冠状靭帯は比較的ゆるく、そのため半月、特に外側半月は運動中、自由に回旋可能である。細い膝横靭帯は、前方で内外半月を連結する。
いくつかの筋は副次的な半月付着部を持つ。大腿四頭筋と半膜様筋は両側の半月に、膝窩筋は外側半月に付着する。膝関節の自動運動時、これらの付着によって筋肉が半月の位置を安定化させる。
外側半月はまた、後半月大腿靭帯を介して大腿骨に付着する。この靭帯は、外側半月の後角から起こり、後十字靭帯に沿って大腿骨にも付着する。
半月の主な機能は、脛骨大腿関節での圧迫応力の減少である。その他の機能は、運動中の関節安定化、関節軟骨の潤滑、摩擦の減少、膝の関節包内運動の誘導である。
衝撃吸収剤(ショック・アブソーバー)としての半月。半月は、膝関節にかかる全負荷の約半分を支持している。ステップを踏むごとに半月は圧縮され、末梢方向へ変形する。これは、膝関節にかかる圧縮力がそれぞれの半月を環状方向に緊張させ、圧縮力が部分的に吸収されるメカニズムを意味する。

膝蓋大腿関節の運動

膝蓋大腿関節は膝蓋骨関節面と大腿骨顆間溝の間に形成される。大腿四頭筋、膝蓋骨関節面、膝蓋支帯線維はこの関節を安定させる。膝関節の屈伸に伴い、膝蓋骨関節面は大腿骨顆間溝上を滑る。大腿骨上での脛骨の屈曲の際、膝蓋骨が大腿骨に対して滑り、脛骨上での大腿骨の屈曲の際、大腿骨が膝蓋骨に対して滑る。
運動方向
・屈曲、伸展:膝屈曲135°では、膝蓋骨は上極部付近で大腿骨に接する。そこから屈曲90°に向かって伸展すると、膝蓋骨の接触領域は下方へ移動し始める。屈曲90~60°の間、膝蓋大腿関節では、最大接触面積となる。最終屈曲20°までの間、膝蓋骨上の主な接触点は下極へ移動する。完全膝関節伸展では膝蓋骨は顆間溝より完全に浮き、上膝蓋脂肪体と接触する。

膝関節の運動・靭帯の緊張

膝関節の運動は2つの運動面で生じ、1つは矢状面における屈曲・伸展運動、もう1つが水平面における内旋・外旋運動である。しかし、機能的には、これらの運動は下肢の他の関節と独立して動くことはめったにない。膝関節は、主に走行中や歩行中にみられるような生体工学的に重要な機能を有する。歩行中の遊脚期では機能的下肢長を短縮させるように膝関節は屈曲するが、そうでなければ足部は地面を離れてうまく振りぬけることができない。立脚期では、膝関節はわずかに屈曲位を保持し、これにより下腿を介する衝撃を吸収し、エネルギーを蓄え、力の発達を可能にする。走行は、とくに矢状面でいえることだが、膝関節にとって大きな可動域を必要とする。走行中の急な方向転換の際、膝関節では水平面でのさらなる運動の自由度が要求される。
* 靭帯の緊張は膝関節の運動に大きな影響を及ぼす
① 内側側副靭帯
・外反(外転)制動
・過度の膝伸展運動
・軸回転運動
② 外側側副靭帯
・内反(内転)制動
・膝伸展制動
・軸回転制動
③ 後関節包
・膝関節完全伸展制動
・斜膝窩靭帯が外旋制動
・後外側関節包が内反制動
④ 前十字靭帯
・過度の脛骨前方移動または過度の大腿骨後方移動の制動
・ほとんどの線維が完全伸展を制動
・過度の内反・外反・軸回転の制動
⑤ 後十字靭帯
・ほとんどの線維が過度の脛骨後方移動または過度の大腿骨前方移動を制動
・ほとんどの線維が完全屈曲で緊張
・一部の線維は最大過伸展、内外反や軸回転で緊張

前十字靭帯(Anterior cruciate ligament:ACL)

十字靭帯は関節内構造で広く滑膜に覆われる。十字靭帯表面の大部分は滑膜と関節包の間にあるので、十字靭帯は“滑膜外”と考えられる。十字靭帯は、滑膜や近くの軟部組織にある小血管から血液供給を受ける。前・後どちらの靭帯も厚く強靭で、膝関節を安定化させる重要な機能を反映している。前後両十字靭帯がともに活動すると、全ての過度膝関節運動は制限される。しかし、十字靭帯は、脛骨と大腿骨間の前後剪断力に最も抵抗する。これらの力は、歩行、スクワット、走行、ジャンプ動作などの矢状面での運動で本質的に生ずる。十字靭帯はまた、膝の関節包内運動の誘導を補助する。
前十字靭帯は、脛骨高原の前顆間区で約30mmのくぼみに沿って付着する。この付着部から、大腿骨外側顆内側面に向かって後方、わずかに上方、そして外側へと斜めに走行する。ACL内のコラーゲン線維同士が互いにねじれあい、螺旋状の線維束を形成する。線維束は、脛骨上の相対的付着部により、後外側線維束と前内側線維束と呼ばれる。後外側線維束はACLの主要な要素である。
膝関節の角度によって、ねじれているACLの長さと方向は変化する。膝関節の全可動域にわたって緊張状態にある線維もあるが、とくに後外側線維束の大部分の線維は、膝完全伸展に近づくにつれ、より緊張する。後方関節包、側副靭帯、ハムストリングスと協同してACLは有効な緊張を生じ、伸展またはそれに近い状態での膝関節安定化を補助する。
* 前方引き出しテスト
ACLの完全性を確認するための最も一般的で比較的簡便な徒手検査の1つ。このテストの基本は、膝関節約90°屈曲位で下腿を前方に引っ張ることである。正常膝関節では、脛骨の他動的な前方移動に対する全抵抗力の85%をACLは担う。反体側の膝関節に比べ、8mm以上の前方動揺性を認める場合はACL断裂を示唆する。

後十字靭帯(Posterior cruciate ligament:PCL)

後十字靭帯は、膝関節における前後剪断力に抵抗するもう1つの重要な要素を担う。PCLはACLよりわずかに分厚く、脛骨の後顆間区から大腿骨内側顆の外側面に付着する。この靭帯の走行は、ACLと比べてより垂直でそれほど斜めではない。
PCLの解剖学的特徴はさまざまである。2つの線維束があり、靭帯の大部分を形成する大きい前方部分と小さい後方部分がある。
PCLにはしばしば2つの構成成分が付随する。約70%の膝関節には、前半月大腿靭帯か後半月大腿靭帯のどちらかがみられる。これらの靭帯は、PCL重量の約20%にすぎず、したがって安定性の役割をあまり担わない。
ACLと同様にPCL内の一部の線維は全可動域を通して緊張したままである。しかし、この靭帯の大部分は、屈曲の終末で緊張する。PCLはハムストリングスの収縮とそれによる脛骨後方滑りにより引っ張られ緊張する。このハムストリングスの収縮に加えて大腿四頭筋が強く収縮するとPCLの緊張と伸展は減少する。
* 後方押し込みテスト
PCLの完全性を確認する検査として最も一般的なもの。このテストでは、膝関節90°屈曲位で下腿を後方に押し込む。正常では、脛骨の他動的後方移動に対する全抵抗力の95%をPCLは担う。PCLは損傷すると脛骨は大腿骨に対して後方に落ち込むことが多い。この所見は、後方押し込み徴候陽性とともにPCL断裂を示唆する。

簡単な覚え方!!
ACL:APEX=前-後外側
PCL:PAIN=後-前内側

Q角

大腿四頭筋全体の力線は、膝蓋骨を膝蓋靭帯に対して上方および外方へ引く傾向にある。大腿四頭筋が外側へ引っ張る角度をQ角と呼ぶ。
Q角を形成する2線
・大腿四頭筋の引く合力を表す上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結ぶ線
・膝蓋骨中心と脛骨粗面を結ぶ線
性別によってQ角は異なり、女性は15.8°、男性は11.2°である。15°以上のQ角は膝蓋大腿関節痛、軟骨軟化症、膝蓋骨脱臼に影響すると考えられている。
外側へ偏った大腿四頭筋の引っ張りは、必然的に膝蓋骨に対して弓弦力を与える。
骨の異常アライメントによるQ角の増大は、膝蓋骨の過度の外側偏位に影響する要因である。Q角が増大するほど、膝蓋骨に対する外側への弓の弦効果が大きくなる。Q角を増大させる要因は、外反膝も増大させる傾向をもつ。これらの要因には、MCL(内側側副靭帯)の過伸張、股関節の内旋内転位、過度の足部回内、それに性別があげられる。

Extensor lag (伸筋不全)

中等度の大腿四頭筋筋力低下のある人にとって、膝関節で大腿骨上での脛骨伸展を完全に行うことがしばしば困難な場合がみられ、これは一般に座った状態でみられる。この困難さは、外部負荷がただ単に下腿の重さだけの場合でもみられる。膝関節は他動的に完全伸展可能だが、一般に自動的に努力しても最後の15~20°の伸展ができない。臨床的には、大腿四頭筋力低下によるこの特徴的症状は伸筋不全と呼ばれることが多い。
膝関節の伸筋不全は、膝術後のリハビリテーションの際、永続的で複雑な問題となることが多い。座位での病態力学は次のようになる。膝伸展が終末に近づくにつれ、外的(屈曲)トルクが最大となる一方、大腿四頭筋の内的トルク発生能が最小となるからである。この自然な不釣合いは、正常な大腿四頭筋力を有する人にはめったにみられない。しかし中等度の筋力低下があれば、この不釣合いは伸筋不全をしばしば起こす。
膝関節の腫脹や水腫は、伸筋不全の可能性を高める。腫脹は関節内圧を増大させ、それは物理的に膝関節最終伸展を制限する。増大した関節内圧は大腿四頭筋の神経活動を反射的に抑制する。

膝折れ現象、膝くずれ(Giving way)

膝内障や大腿四頭筋の不全により、無意識下に膝が折れ曲がること。
例)膝蓋軟骨軟化症
膝蓋骨軟骨面に程度に応じて膨隆、軟化、線維化、粗糙(ぞう)化潰瘍形成などがみられる疾患である。若い女性に多く、一定肢位をとったあとの動作時の疼痛、膝折れ現象などが自覚症状としては多い。

鵞足(Pes anserinus)

縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つの並列する腱は、鵞足として知られる共通の幅広い結合組織板によって脛骨に付着する。グループとしての鵞足筋は膝関節の効果的な内旋筋である。この結合組織は、鵞足筋グループの腱を内・外側膝回転軸のすぐ後方に保持する。これらの筋は大腿骨に付着しないが、結合組織を介した間接的な付着によって膝関節の屈曲と内旋ができる。
鵞足筋群は、膝関節内側に重要な動的安定性を与える。鵞足筋群に活動張力が生ずると、内側側副靭帯とともに膝関節の外旋と外反応力に抵抗する。内側側副靭帯の慢性的緩みを有する人には膝関節内側部補強のために鵞足筋腱の外科的な位置移動が勧められる。

足関節の運動、靭帯の緊張

運動方向
・底屈、背屈:内外側軸の周りで矢状面での動きを示す。
・内がえし、外がえし:前後軸の周りで、前額面での動きを示す。
・外転、内転:垂直軸(上下軸)の周りでの水平面での動きを示す。

・回外:足関節と足部の回転の斜走軸に対し直交して起こり、底屈、内転、内がえしの要素からなる動き。
・回内:足関節と足部の回転の斜走軸に対し直交して起こり、背屈、外転、外がえしの要素からなる動き。
靭帯
・三角靭帯:主要な機能は、距腿関節、距骨下関節、距舟関節による外がえしの制限である。
・前距腓靭帯、踵腓靭帯:底屈と背屈の可動範囲の大部分で内がえしを制限する。
・後距腓靭帯:足関節が完全に背屈されると、この靭帯により距骨の過剰な外転は制限される。

足関節に関連する関節構造と機能

① 脛腓関節
・近位脛腓関節
・遠位脛腓関節
脛骨と腓骨の間に張っている1枚の結合組織である下腿骨間膜はまた、これら2つの骨の連結を補助する。下腿骨間膜は足関節および足部に影響する多くの筋の付着を提供する。
また、遠位脛腓関節では、骨間靭帯、前・後脛腓靭帯によって脛骨遠位端と腓骨遠位末端の結合が安定し、距腿関節の安定性を確保している。機能にも不可欠である。

② 距腿関節
足関節を構成する関節であり、距腿関節の動きは脛腓関節の近位と遠位にわずかな動きを引き起こす。

足部に関連する関節構造と機能

① 距骨下関節
この関節の可動性により、足部は踵骨上の足関節と下腿の向きとは関係なく想定した肢位をとることができる。この機能は、急な丘の上を歩く活動、足を広く開いた状態で立つ、揺れるボード上でバランスを保つ際に不可欠である。

② 横足根関節(ショパール関節)
・距舟関節
・踵立方関節
距骨下関節との間の強い機能的な関連をもつ。距舟関節と踵立方関節の2つの主要な関節が協調的に機能し、足部全体の回内と回外の肢位の大部分を制御する。

③ 遠位足根骨間関節
・楔舟関節
・立方舟関節
・楔間と楔立方関節の複合体
これらの主要な機能は、足の横アーチ形成によって中足部に安定性を供与することである。また、中足部全体の回内と回外の生みだしにおいて横足根関節を補助する。

④ 足根中足関節
この関節での動きは、歩行中の凹凸の地面に足部内側面をよりよく適合させるような役立つ機能を付与する。第1足根中足関節は柔軟性の要素を内側縦アーチに供与する。
*内側縦アーチ:第2趾が重要!!(手指では第3指)

⑤ 中足間関節
この関節でのわずかな動きが、足根中足関節の柔軟性を高めている。

⑥ 中足指節関節
この関節の運動は、背屈・底屈(矢状面で内外側軸の周りで起こる)と外転・内転(水平面で垂直軸の周りで起こる)である。

⑦ 指節間関節
第1趾以外は、近位と遠位の指節間関節がある。運動は、基本的に屈曲と伸展である。

脛腓関節(Tibiofibular joint)

腓骨は近位・遠位という脛腓関節の2つの関節によって脛骨の外側に結びついている。
① 近位脛腓関節
膝の下ですぐ外側に位置する滑膜関節である。脛骨外側顆の後外側面と腓骨頭によって形成される。関節面は関節軟骨で覆われていて、一般に平坦かわずかに楕円形である。
この関節は、前後の靭帯によって強化されている関節包によって覆われている。膝窩筋腱は関節のすぐ後部を横切り付加的安定性を提供している。堅固な安定化は、近位脛腓関節には不可欠である。そのため、膝の外側側副靭帯と二頭筋内に生じた力は腓骨から脛骨へと効果的に伝達される。

② 遠位脛腓関節
この関節は、脛骨の凹状の腓骨切痕と遠位腓骨の凸状の内側面との連結によって形成される。この関節ではごくわずかな運動しか起こらず、関節内は分厚い不規則な結合組織で満たされている。
骨間靭帯は、脛骨と腓骨の遠位端の間に強力な結合性を供給する。この靭帯は骨間膜の遠位での延長である。前・後脛腓靭帯はこの関節を補強する。脛骨遠位端と腓骨遠位末端との安定した結合は距腿関節の安定化と機能には不可欠である。

距腿関節(Talocrural joint)

この関節は、内外の両果と脛骨の遠位端によって形成された四角の腔所と距骨側面および滑車面との間の連結によって形成される。また、この関節は「ほぞ継ぎ」とも呼ばれる。ほぞ継ぎの近位側の凹形は、腓骨に脛骨を結びつける結合組織によって保持される。
また、薄い関節包が距腿関節を囲んでいる。関節包外では、四角の腔所の中で距骨が過剰に内がえしや外がえしをして傾斜しないように側副靭帯が補強している。内側側副靭帯は三角靭帯とも呼ばれ、強力で遠位に広がっている。主要な機能は、距腿関節、距骨下関節、距舟関節による外がえしの制限である。外側側副靭帯は前後の距腓靭帯、踵腓靭帯を含んでいる。
距腿関節は運動自由度1をもつ。この関節の動きは、内外果尖端を通り、距骨体を通る回転軸の周りで起こる。背屈ではわずかな外転と外がえしを伴い、底屈ではわずかな内転と内がえしを伴う。したがって距腿関節では回内・回外運動を生ずる。
関節包内運動では、背屈の間、距骨の上面は下腿に対して前方に転がり、同時に後方に滑る。底屈の際、距骨の上面が後方に転がり、同時に前方に滑る。

距骨下関節(Subtalar joint)

この関節は、踵骨と距骨の前・中・後関節面により構成される1組の関節構造である。後関節面は、前関節面の約70%を占める。距骨の凹形をした後関節面は踵骨の凸状の後面にはまりこむ。前・中関節面は小さくて、ほとんど平坦な関節面からなる。
距骨下関節内の後関節は、内側、後および外側の位置によって名づけられた3組の距踵靭帯の細い靭帯によって補強される。この関節はいくつかの靭帯によって安定していて、この関節のみを横切る最も重要な靭帯は骨間(距踵)靭帯と頚部靭帯である。
骨運動は、固定され動かない距骨に対する踵骨の回転によって説明される。しかし、歩行中、踵骨が体重負荷により固定されるとき、距骨下関節での回内(主要構成要素:外がえしと外転)と回外(内がえしと内転)が距骨と下腿の回転によって起こる。

*足関節運動での動作筋
・背屈:前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第3腓骨筋
・底屈:下腿三頭筋、足底筋
・内がえし:前脛骨筋、後脛骨筋
・外がえし:長腓骨筋、短腓骨筋

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