パーキンソン病について(概論・運動障害・自律神経障害・精神症状・治療プラン)

今日はパーキンソン病のレポートを理学療法士が公開していきます^^
では行きまーす♡

パーキンソン病

概論

パーキンソン病は中年期以降に発症し、慢性進行性に経過する変性疾患である。原因としては、黒質線条体ニューロンが障害されて、線条体での神経伝達物質であるドパミンの分泌が障害されることによる(錐体外路障害)。
代表的な徴候(パーキンソン徴候)
・筋固縮、安静時振戦、無動(寡動)、姿勢反射障害
また、パーキンソン徴候を呈する諸疾患をパーキンソニズムまたはパーキンソン症候群と呼ぶ。
1)特発性パーキンソニズム
・パーキンソン病、若年性パーキンソニズム
2)症候性パーキンソニズム
・血管性パーキンソニズム(ラクナ梗塞など)、薬剤性パーキンソニズム、中毒  など
3)連合性パーキンソニズム
・進行性核上性麻痺、アルツハイマー病  など
臨床症状として、パーキンソン徴候(4つ)を主徴とするが、この他にも自律神経障害、精神症状など症状はきわめて複雑・多彩である。

運動障害

初発症状は振戦、次いで歩行障害。一側上肢から始まり同側下肢、対側上肢、対側下肢と進展することが多い。初発側の症状の強いことが多い。
①筋固縮
筋固縮は持続性の伸張反射の亢進状態であり、つまり患者の関節を受動的に伸展・屈曲させるときに認められる抵抗(筋トーヌス)が亢進した状態である。抵抗の程度は筋の屈伸の速度とは関係がない。
また、筋固縮は屈伸にて増強する傾向がある。四肢、頸部、体幹に認められる。屈筋・内転・回内筋群に優位である。
・鉛管様固縮:筋を伸張するとき一様に持続的な抵抗がある。
・歯車様固縮:伸張途中でガクガクと断続的な抵抗を感じる。これは筋トーヌス亢進に安静時振戦リズムが加わった症候であるが、患者・病期によっては安静時振戦が目立たず軽度の歯車様固縮のみがみられることもある。パーキンソン病では、鉛管様固縮より多くみられやすい。
②安静時振戦
4~6Hz前後の比較的ゆっくりとした規則的なふるえで、安静時に強く持続性であり、運動により減弱・消失する。患者は意志により一時的に振戦を止めることはできるが、すぐ再開してしまう。精神的緊張などにより顕在化する場合もある。通常、片側のみの手指など上肢あるいは下肢から始まり同側の他肢へ、ついで対側へ拡大する。病勢の進行とともに頭頸部など体幹に広がることもある。安静時振戦はパーキンソン病にかなり特異的な症候である。
③無動(寡動)
運動麻痺がないのにもかかわらず動作の開始に非常に時間がかかり、いったん動作を開始できても緩慢で通常の時間内には完全に遂行できず、場合によっては動作全体が欠如してしまうようにみえる。さらに、日常生活動作の中で動きが少ない(自発運動が少ない)こともある。
パーキンソン病での動作開始困難は、単純反応時間の遅延として認められるが、注意力障害も反応時間を遅くする要因である。筋固縮も動作緩徐の重大な要因となる。
* 無動の表れ
・仮面様顔貌:顔貌は表情に乏しく、瞬きが少ない
・小字症
・言語緩慢  など
④姿勢反射障害
立位では身体を前傾し、肘および膝関節は軽度屈曲する特異な姿勢をとる。また立位で前方から後方に外力を加えると、そのまま後方に棒のように倒れるか、後方に突進するようになり、バランスを崩しやすい。(後方突進現象)
⑤歩行障害
パーキンソン病の初発症状の10~25%に認め、歩行速度の遅延を認める。
・すくみ足:歩行開始時第一歩目の踏み出しが障害される。また、方向転換時、目標に
近づいたときなど歩行中に突然出現する場合があり、転倒の原因ともなる。
・小刻み歩行:歩幅が小さく、よちよち歩きとなる。
・加速歩行:しばらく歩行すると重心が前方へ変位し、徐々に早足となり、衝突や転倒
しやすくなる。
・すり足歩行
すくみ足は脳内の運動リズム形成障害がその背景にあり、床に描いたはしご上の線をまたいで歩く、あるいは歩行リズムに合わせた音を聞きながら歩くなど、視覚性・聴覚性の外部感覚リズム刺激を与えれば、すくみ足が改善することがある。(矛盾性歩行)
また、パーキンソン徴候に伴って体幹の長軸回旋が減少し、四肢を含めた全身の運動機能やさまざまなADLに影響を及ぼす。そのため体幹回旋機能の改善は運動療法では特に重要である。

自律神経障害

・便秘(消化管運動障害):最も頻度の高い自律神経障害
・神経因性膀胱
・起立性低血圧
・脂顔
・流涎
・嚥下障害   など

精神症状

・抑うつ症状:合併する患者は多く(30~90%)、運動障害が現れる前に抑うつ症状を認める患者も少なくない。
・認知機能障害:皮質下性痴呆と呼ばれる特有の認知機能障害を示す患者もまれではない(20%前後と報告)。これは精神緩慢ともいわれ、遂行機能障害や記憶の有効利用障害などの背景に認知過程の情報処理速度低下(いわば認知機能の“無動”)があると考えられている。
・睡眠障害:睡眠―覚醒リズム障害、不眠を訴えることも多い。下肢静止不能症候群 restless legs syndrome(むずむず脚、下肢の不快な異常感覚)が不眠の原因になっている場合もある。
・幻覚、せん妄:認知機能障害を伴う長期経過のパーキンソン病患者で、L-dopaやドパミンアゴニストにより誘発された幻覚・妄想状態が出現しやすい。また、幻覚・妄想に導かれた異常行動を伴い、興奮することもある。

*薬物治療について
脳内で欠乏したドパミンを補充、あるいはドパミンの受容体刺激物質の投与が柱である。高齢者と痴呆症の合併者は、早期からL-dopa主体に、それ以外は早期はドパミンアゴニストで開始し、進行期にはL-dopaが加えられる。
L-dopaはパーキンソン病で減少するドパミンの前駆体であり、多くの抗パーキンソン病薬が開発された現在においてもなお、パーキンソン病治療の中心に位置する薬剤である。しかし、長期のL-dopaの服薬により症状の日内変動を認めるようになる。
・wearing off現象:薬効時間が短縮して服薬後2~3時間後に悪化する
・on off現象:服薬時間に関係なく急に改善や悪化する
・不随意運動(ジスキネジア):口舌ジスキネジア、ジストニア、アテトーシス、バリスムなど
・悪性症候群:急に服薬中止後、筋固縮、高熱、血清CK値上昇、意識障害、急性腎不全
・消化器症状:末梢性ドパミン受容体遮断薬で改善
・循環器症状:動悸など
・精神症状:幻覚

治療プログラム

運動障害への予防効果を期待して、Parkinson病患者にとってネガテイブになりやすい運動要素、すなわち全可動域にわたり不使用になりがちな(disuse pattern)を促通・強化していく。可能な限り代償に頼らず、残存する立ち直りや姿勢制御系の正しい反応を引き出すことで神経系の再学習を促す。
① 関節可動性の改善
運動性を阻害する固縮や筋短縮による可動域制限(特に頸部、胸郭、脊柱、下肢)の改善を図る。
② 抗重力伸展活動の促通
代償運動パターンである定型的な屈曲パターンからの分離・抑制を図り、頸部・体幹を中心とした抗重力仲展活動を高めていく。
③ 動作開始時の筋張力増強
頭部から尾部へ向かう失われやすい長軸方向の分節的回旋を伴う立ち直り反応を、寝返り動作や起き上がり動作を行うなかで誘導し、運動初期の十分な筋張力の発生と持続を学習していく。
④ 動作パターンの多様性獲得
運動計画の選択に柔軟性が失われ、多様な動作パターンの遂行が困難になるため、日常生活では経験しにくい重心位置の大きな移動を伴う、全可動域にわたる動作を経験させる。これによって支持基底面の変化、特に体軸内回旋を伴う動作を運動場面で展開していく。
⑤ 部分的姿勢コントロールから全体へ
動作の開始が困難な症例には、一連の動作のうち中途に当たるポジションのコントロールから獲得していく。(例えば、寝返り動作では側臥位、起き上がり動作では片肘位での姿勢コントロールを課題とする)
Ⅰ、運動療法
・各関節・脊柱の可動性確保
関節可動域運動やモビライゼーションを用いて、頸部、上部体幹、胸郭、下肢の運動性を確保する。視覚と協応した運動は眼球と頸部の運動が先行し、頸部が著しく損なわれると、眼球運動で代償しようとする。頸部や上部体幹の可動域制限は運動発現の円滑性に大きな影響を与える。

・側臥位までの寝返り動作
臥位から側臥位までの寝返り動作が困難な場合、他動的に側臥位となるよう援助する。そして、上側骨盤をやや後方へ引いた位置から、下部体幹の回旋による半臥位から側臥位までの運動を促す。パーキンソン病患者が失いやすい体軸内の回旋要素も、正中位からの回旋を求めるより、回旋位から正中位へ減捻する方向のほうが反応を得やすい。したがって、骨盤に対し抵抗を加えながら上側肩甲帯の前方突出を同時に求め、頭部から尾部へ向かう分節的回旋を促し、より臥位に近い姿勢から側臥位までの動作を段階的に行い、寝返り動作を実現していく。
また、固有受容性神経筋促通法(proprioceptive neuromuscular faci1itation;PNF)の上肢屈曲-内転-外旋パターンを利用した両側性リフテイングパターンを用いた寝返り動作練習も有効である。

・起き上がり動作
パーキンソン病患者が背臥位から起き上がると両膝を屈曲し、下部体幹の回旋と上方下肢の伸展動作による床面を蹴る動作を利用して側臥位まで寝返り、次に上肢による押し上げを利用した代償パターンをとりがちである。陰性化しやすい運動パターン(disuse pattern)となる背臥位から片肘位までの頸部・体幹の回旋を伴う体幹屈曲運動を両股・膝関節屈曲を抑制しつつ練習する。

・座位―体幹立ち直り運動
腰掛け座位をとる患者に両手を組んでもらい、両上肢挙上位をとる。理学療法士は一側肩甲帯を後方から圧し、体幹上部を他動的に回旋位にする。次にその姿勢から正中位まで体幹を立ち直らせる運動と骨盤前傾を求め、体幹筋群の活動性を高めていく。

・座位バランス
腰掛け座位をとる患者の両足部を揃えて、理学療法士の大腿部に乗せる。患者の両膝を左右に操作しながら、体幹の回旋を伴った立ち直り反応を促通していく。はじめはゆっくりとやがて速度を早めて左右に切り返しながら行う。

・ハイステップ運動
患者は壁と向かい合うように立ち両手を壁(肋木)につけ、両上肢を上方へ挙上する。体幹の伸展と股関節伸展を促し、大腿部を交互に高く引き上げる運動を繰り返し、股関節や骨盤部の運動性、持続性、体重の前方荷重を促していく。

・リーチ動作を用いた立位バランス練習
理学療法士は患者の頭上高くボールをかかげ、両上肢をリーチさせる。患者の足位やボールの位置を様々に変化させ、立位から半しゃがみ位までの重心位置の変化に対応した全身的なバランス反応を引き出していく。

・歩行練習
理学療法士は患者と対面し、お互いの両手を合わせ挙上する。理学療法士は患者の手を通してpush-pullの入力刺激を加えながら、体幹の伸展反応と体重移動、自動的な踏み切り反応を引き出していく。歩行の特徴には小刻み歩行、手の振りの欠如、突進現象などがあるが、生活上最も問題となるのはすくみ足と方向転換時のバランス不良である。方向転換はその場で回らず、前方に歩きながら向きを変えるよう指導する。
歩行時に後ろから不用意に声をかけると転倒につながる危険性があるので注意が必要である。
階段昇降はkinesie paradoxale(逆説動作)のため平地歩行よりも容易である場合が多い。しかし転倒など大事故につながる可能性が高いので、手すりの設置や段鼻の処理などの環境設定には充分な配慮が必要である。
坂道の急な下りでは加速歩行となり、止まることができず転倒や壁などへの激突の危険性がある。大きく弧を描くように下る、手を後ろに組むなどの指導をする。
横断歩道や狭い所を通る時などすくみ足が出やすいので指導が必要である。

Parkinson体操
パーキンソン体操は、体力の低下を防ぎ、筋肉や関節を軟らかくして、動作をなめらかにするための体操である。順序どおりに全部の運動を遂行する必要性なく,自分に合った運動を選択し取り入れていく。
最初は、一つひとつの運動を2~3回ずつ繰り返し、徐々に増やして、最終的には8~10回繰り返せることをようにする。
特に断りがないものは、立位や、座位のどちらでもよい。

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