理学療法の勉強をしている学生さんで「統合と解釈」を臨床実習のレポートないし、行く前の授業で書いていきますがこれって難しいですよね。
何を書て良いかわからなくて、パソコンの前で頭が爆発しそうになる実習生(PTS)の方も多いと思いますし、私も脳みそがとけそうだったのをよく覚えています。
学生さんの苦労もよく理解しているので、この記事では、統合と解釈の書き方のコツと例文を経験約10年の理学療法士が書いていきます。
理学療法の勉強をしている学生さんに少しでも参考になれば幸いです。
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目次
統合と解釈の定義
そもそも統合と解釈ってなんやねん?ってなると思うので定義について調べてみました。
まずは「統合」と「解釈」
2つのワードに分けて考えましょう。
統合
統合→「二つ以上のものを合わせて一つにすること」
引用:goo国語辞書より
解釈
解釈→「言葉や文章の意味・内容を解きほぐして明らかにすること」
引用:goo国語辞書より
辞書引いてみると、統合と解釈は「全ての情報を合わせて、答えを導き出す」という感じですね。
これを理学療法に当てはめると、統合と解釈とは、「患者の動作能力レベルと検査や測定や評価結果との因果関係を結びつける作業」という感じになると思います。
統合と解釈というのは言葉の定義そのものです。
動作観察で得た所見と検査結果を結びつけて統合と解釈を行い、障害像と問題点を明らかにしていきます。
統合と解釈を書く前にする事
統合と解釈で何を書けば良いかをざっくり上げます。
1.動作観察・分析で得られた情報と、情報収集・検査結果との関連性
2.機能障害と活動制限との関連性
3.機能障害の原因を追究する
4.機能障害自体の相互関係
5.活動制限自体の相互関係
6・障害の予後を予測する
なかなか沢山あります。
これだけたくさんあるからこそ、統合と解釈で大切なのは「情報の整理」になります。
そして簡単わかりやすく整理していく事も大切です。
なるべく以下のような順序で書いてみるのが良いかもしれません。
ニードとホープに沿った評価を行う
↓
情報や評価を殴り書く
↓
ICFを書く
ニードとホープを確認する
統合と解釈の意義は「障害像を把握して、患者、家族のニード、ホープを満たすリハビリテーションを実施するため」です。
ニード→客観的に必要な機能や動作
ホープ→主観的な訴え、要望
患者さんのニード、ホープが含まれていない統合と解釈というのは治療する側が勝手に満足するだけで意味がないものになります。
例えば超極端ですが、股関節の手術をして足が上がらないから風呂に入りにくいというのに、手のリハビリを始めたら意味が分からないし、統合と解釈してたらおかしいってなりますよね?
ニードとホープは一番土台となる基礎です。
ここが定まっていないと後々ぐちゃぐちゃな内容になってしまいます。
そのためニードとホープを参考にして対象となる動作(先ほどの例ならアプローチすべきは上肢(手)ではなく下肢(股)ですよね?)を決めて、それらをしっかりと評価することが大事なのです。
そうする事で辻褄の合うしっかりした統合と解釈が書けます。
自分の考えや評価と情報を書き出す
ニード、ホープに沿った評価が終わって、すぐに統合と解釈を書いていくのはあまりよくないです。
殴り書きで良いので、どこかに理学療法評価など含めて得たすべての情報を書き出していきましょう。
例
・90歳 ・男性 ・独居 ・団地の2F暮らし(エレベーターなし) ・自宅には帰りたい・腰椎圧迫骨折 ・脊柱管狭窄症・腰痛あり ・座位保持困難 ・立位保持困難・歩行困難・リハビリ意欲あり・デイサービスに通っていた ・トイレの段差を解消したい ・手すりがない ・トイレ動作困難 ・下肢のMMT3レベル ・円背だが著名な関節可動域なし
こんな感じ良いのでざっくり書いていくと整理されますし、私も若手の頃は新規渡された時点で書いていましたよ。
そして何故かな?を繰り返していきこれらの情報同士を頭の中で整理して線で結びます。
ICFの図を作る
そしてここからICFを作ります。
最近はICFが多いので基本こちらで作りましょう。
さっき例で殴り書きで出したものを上記の表に入れることは皆さん出来そうですか?
例えば、健康状態の所には腰椎圧迫骨折が入りますよね。
心身機能なら、円背、著名ROM制限なし、MMT3レベルなどと入れていけますね。
もうここまで来たら、渡された症例(患者)のイメージがつきますね。
まずは着地点を決めてから書き始めたほうがうまく書けます。
ICFの図って統合と解釈の答えと変わらないのです。
まずはICFの図で答えを決めてから統合と解釈を書きましょう。
ズバリこれがコツの1つです。
統合と解釈の書き方
いよいよ統合と解釈を書いていきます。
実はここまでくれば結構簡単です。
ICFの図を文章にしていくだけの作業です。
ちなみに統合と解釈の内容や書き方の手順は有資格者のPTによっても異なります。
今回は私自身が意識している統合と解釈の書き方の手順をあげます。違ったらバイザーや先生に確認してください。
書き方の手順
6つに分けて私は書いています。
ざっくりとした症例紹介
↓
獲得したい動作を書く
↓
現状の動作や体のどこが問題か
↓
その原因は何か仮説を立てる
↓
評価結果は?
↓
今後、必要となる機能と訓練
こんな流れで書いています。
先ほど挙げた殴り書きやICFから例文にしてみましょう。
殴り書きとICFからの例文
先ほどの例から簡単に例文を書いてみます。
ざっくりとした症例紹介
本症例の患者は90歳代の男性で、○年○月○日に団地内の階段で転倒し、腰椎圧迫骨折を呈した症例である。
既往歴には腰痛もあり自宅内は腰部へ負担軽減を目的に杖歩行にて移動していた。
獲得したい動作を書く
本人は在宅復帰を強く望んでいる。現状のADLに関して、寝返り・起き上がりは自立している。しかし腰痛もあり座位~歩行保持が困難である。現状のままでは在宅復帰が困難である。そのため、在宅復帰を行うためには、まずは座位~歩行動作の自立が必要であるため、座位・立位・歩行動作について述べていく。
現状の動作や体のどこが問題か
本症例は既往で脊柱管狭窄症や腰痛もある事から腰部および、入院による筋力低下が問題ではないかと考えた。
その原因は何か仮説を立てる
本症例は、既往歴に入院により活動性が低下していた影響により、筋力が大幅に低下している可能性が高い。そのため、座位~歩行困難は筋力低下により引き起こされている可能性がある。
評価結果は?
下肢筋力を評価実施すると、下肢全体がMMT3レベルで筋力低下を認めたため、原因は筋力低下と思われる。
今後、必要となる機能と訓練
本症例は、腰痛はあるがリハビリへの意欲は高く、病棟での自主トレーニングも無理のない範囲で積極的に行われている。また、栄養状態や認知機能面なども認めないため、積極的に腰痛の緩和や、筋力増強練習、基本動作練習を行うことで歩行の獲得に繋がり自宅復帰は可能ではないかと考える。
最後に
ざっくりですが私なりに書いてみました。
今回はかなりわかりやすくするために情報を少なくした統合と解釈の例です。
実際のレポートはさらに情報量も増えて大変ですから、慣れないうちは簡単に考えていきましょう。
その他実習以外にも就職活動や学生向けの勉強会のアドバイスもしているので、良かったら参考にしてくださいね。